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エンドレス・サマー

前向きで切ないアイドルたちが大好きです。

ヴァンパイアはかく語りき

シゲアキ先生の物議をかもしたソロ曲『ヴァンパイアはかく語りき』

チャンカパーナ(初回盤E)

チャンカパーナ(初回盤E)


初めはシゲアキ先生がヴァンパイア!?と、アイドル的には超王道な分野をチョイスしたことに驚き、ジャニーズでもじゃんぷやえいとがすんばらしく大好きなヴァンパイアソングを出していたのもあって大丈夫かなーという気持ちもちょっとありました。
いざ聞いてみたら、「やっぱり、シゲアキ先生面白いよ!!」と思うようないい意味で期待を裏切ってくれた曲でもあります。

今日は、シゲアキ先生作詞の『ヴァンパイアはかく語りき』の歌詞でまめかんが興味深いと思ったことや、まめかんなりの解釈を書いてみました。いろんな方がすでに素晴らしい解説をされている歌詞だと思うので、気軽に読んでみてください(笑)

また、これ、音楽自体も本当に面白いんで、ぜひ聞いてみてください
聞くときは歌詞を手元において聞いて下さると、何倍も楽しめると思います。
それでは、シゲアキ先生のヴァンパイアワールドへ!

■映画との関連性

■歌詞から連想されるヴァンパイア映画
ファンの中ですでに解明されている通り、歌詞にはシゲアキ先生が見てきたヴァンパイア映画にひっかけた言葉遊びやテーマが入っているようです。
特に「Gary, Johnny, Tom & Brad」から、
ゲイリー・オールドマン「ドラキュラ」
ジョニー・デップ「ダーク・シャドウ」
トム・クルーズ&ブラッド・ピッドインタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
というヴァンパイア役を演じた4人の役者と3本の映画が浮かぶ、との説はここでも前提として採用させていただきます。
また、やや映画自体に関するネタバレもありますので、ご注意ください

■ヴァンヘルシングとの関係
もう一つ結構見かけたものとして、映画「ヴァンヘルシング」が題材じゃないか、という説がありました。どうやら、「ヴァンヘルシング」という言葉自体、大本の小説「ドラキュラ」の中に出てくる「ヴァン・ヘルシング博士」がヴァンパイアのライバルとして登場したことから、広くヴァンパイアを倒すもの、として定義されているという流れもありますし、映画「ドラキュラ」にも「ヴァン・ヘルシング博士」 が登場することから、私は映画「ヴァンヘルシング」は特別含みのある作品ではないのかな、と考えています
あと、なんとなく、シゲアキ先生自身がこういう映画あんまり観なさそうなので(笑)

■歌詞のストーリーとベースとなる設定
歌詞自体はヴァンパイアである、「俺」が回想をしながら「君」に物語を語っていく構成です。ダイナマイトが原因で死んでしまった恋人のため、ダイナマイトを作ったノーベルに復讐を果たそうとする「俺」。そして、ヴァンパイアであるノーベルに復讐するため、自分もヴァンパイアになってしまいます。復讐劇の顛末とヴァンパイアとして生きる苦悩を語った後、「君」がヴァンヘルシングで、自分の敵だったと気づく、というストーリーです。

上で挙げた3本の映画のストーリーも追ってみたんですが、どうやらインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアがベースになっているのではないか、と感じました。

まあ、この曲の楽しみ方としては、全部に意味を持たせて一つのストーリーを読むというより、上に書いた大まかなストーリーを頭にいれつつ、リリックの言葉遊びや語感を楽しむ、というのが正しい気もしますが、せっかくなのでもうちょっと深堀していきます。

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアとの類似(ややネタバレあり!)
まず、この映画は、ヴァンパイア本人による回想によって進んでいきます。
愛していた妻が出産時に親子ともども亡くなり、自暴自棄なルイス(ブラッド・ピッド)。ヴァンパイアであるレスタト(トム・クルーズ)はルイスの血を啜った後、絶命寸前のルイスへ、
「きみの願いをかなえにきた」
「苦悩から解放して、新しい人生をみせてやる」

と誘い、死にたがっていたにも関わらず、ルイスはヴァンパイアになることを選びます。

レスタトが「選ぶのは君だ」と言っていたものの、ルイスはヴァンパイアになっても血を吸って生きることに抵抗を感じ、うじうじと悩みまくりのヴァンパイア人生を送るのです。そして、いろいろなことがあった後、恋人というわけではないですが、共に暮らしてきたヴァンパイアの少女を他のヴァンパイアたちに日光で焼かれて殺され、彼らの住む場所に火をつけて復讐を果たそうとします。

そんなわけで、回想というスタイルと、ヴァンパイアものにつきものな、ヴァンパイアになる選択をすること、ヴァンパイアらしく生きることの抵抗、ヴァンパイアの死にまつわる火。映画も歌詞も王道なヴァンパイア作品の設定を含んだ作りなだけに、全体として類似は多くなっています。
もちろん、他の2作にも、ヴァンパイアものらしい設定やテーマの類似が多く見られます。



■まめかんの思う、歌詞の面白さ

■サビの歌詞を中心に見てとれる、苦悩する主人公
やっぱりストーリー的に面白いのは、サビ周辺に描かれている主人公の心情。
一番のサビ冒頭では、心までヴァンパイアらしくなってしまうことに苦悩し、ヴァンパイアのことを悪魔と呼ぶことから、あたかも「俺」は人間に近いのではないかと思わせます。
しかし、”I wanna love u but bite u” と君への愛情と君に咬みついて血を飲みたいという欲望が平等に存在していることがわかります。この、人間らしさとヴァンパイアらしさの二面性、そして心と身体が交互に主導権を握って揺れ動く感じが、物語としても面白いなと。

”曖昧な 赤ワインの薔薇(まがいもの) には興味はない
 欲望こそ 俺のアイデンティティ”

ヴァンパイアになってしまった俺は欲望によって支配され、動かされながら、人間らしさを捨てヴァンパイアらしく生きることがアイデンティティである、と語っています。

”本心は この心臓(こころ)で ちゃんと愛したい
 でも身体は… Dilemma”

これは、まさに先ほど書いた心と身体が交互に主導権を握ろうとせめぎ合う苦悩ですね。

”もういいさ 疲れちまったんだ だから終止符を
 祈りを捧げて太陽浴びたまま 灰になるまで”

復讐も終えて、生きる意味を失い、長い生にも飽き、揺れ動く心と身体にも決着はつかず、苦悩するのに疲れるヴァンパイア。そして、再び死を望むのです。歌詞にあるこの「祈り」ですが、ヴァンパイアが苦手とする十字架と向き合うことを連想させ、人間らしさを取り戻す、というような含みもありそうです。

”ヴァンヘルシング? まさか君が…そうだったのか
 騙されたな 愛の罠
  物語のエピローグ”

最後は昔話を語っていた相手が敵だった、と気づくシーンです。やはり、「愛の罠」が気になるところです。「罠」「愛」がかかっているのであれば、「君」が「ヴァンパイアの辛さをくみ取り、愛があるからこそ彼の生を終わらせよう」と罠にかけた、ということかもしれません。あとは、ちょっと無理めな解釈をするならば、「I know 罠」で、罠だと知りつつも、自分の苦悩と生涯を誰かに語って終わらせたいからここにいるのだ、という気持ちかもしれません。

”Here comes the sun…
 Here comes the sun…
 Give me your blood”

そしてラスト。ここもちょう面白いですね!
太陽が昇ろうとしていて絶対絶命の状況でありながら、最後まで血に執着してしまうヴァンパイアの欲望。
または、太陽がやってくることを望み、最後は人間らしい心を持って終わりを向かえるのかと思いきや、身体に支配されるヴァンパイアの業。
どっちで解釈しても、最後は身体と欲望が自分を支配してしまうヴァンパイアの本性なのだ、というところは変わらないですね。
もしも、ロマンチックに解釈するなら、君の血を飲み干して一緒に死にたいまたは、俺と共に生きてくれという決死の告白、ですかね。
もっとダークに解釈するなら、君をヴァンパイアにして俺と同じ苦しみを味あわせたい、ということかもしれません。


■総括

■多種多様な解釈が生まれることこそが狙い
うーん、こうやっていろんな解釈をしてみたんですが、シゲアキ先生が狙っていたのは、このように、聞く人一人ひとりの持っているヴァンパイアのイメージを投影させて、多種多様の解釈をさせることかもしれません。

初めの方に書いた大筋のストーリーは、誰もが同じ内容を読み取れますし、それ以外の小ネタもなんとなく解釈のヒントらしきものが歌詞に落ちています。
しかし、シゲアキ先生が映画をなぞったにしても100%なぞられている作品はありませんし、そもそも、映画との類似点に関してもほとんどがヴァンパイアものに特有の設定の部分で類似が見られる点がほとんどです。

私が面白いなと思ったヴァンパイアと人間のはざまでの苦悩等も、ヴァンパイアものの鉄板テーマとも言えるため、どれを見てもオマージュとは言い切れず、どれを見てもどこかの点に関してはオマージュといえる部分があります。

みなさんはヴァンパイアと聞いて、どんなキャラクターを想像するでしょうか。
想像する人によっては、少女マンガちっくな、イケメンで人を魅了する危険な男、みたいなロマンチックなヴァンパイアかもしれませんし、本能のままに人を殺しながら生きながらえるおぞましくも美しいヴァンパイアかもしれません。

そんな風に、聞いた人ごとに自身の好きなイメージで歌詞を解釈し、好きなヴァンパイア像を想像しながら聞いてもらうことが狙いなのかなと。あとは、ヴァンパイアものの王道の設定や苦悩を、シゲアキ先生がどんな言葉で表現するのか楽しんで欲しいのかなと。そんな感じがしています。

■ストーリー以外の歌詞の面白さ
まずは、言葉遊びや解釈の余地を残しつつも、大まかなストーリーは誰もが理解できる、というシゲアキ先生らしさと、エンターテイメント性が絶妙なバランスでミックスされている歌詞だということ。これ、本当に素晴らしいなと思います。

主に「NEWSファン」「シゲ担」が聞くことを前提にしているソロ曲という位置づけからすると、分かりやすすぎても、分かりにくすぎてもこの曲の歌詞としてはNGだったのではないでしょうか。
「ピンクとグレー」でも感じましたが、そのあたりの計算やバランス感覚、センスの良さに完敗。

また、言葉の選び方だったり、表記の仕方、言葉遊びもひねってあって面白いです。歌詞カードを開きながらこうやって考えてみるのも、すごく興味深いし、音楽とともにいつまでも丁寧に味わえる歌詞であり、ソロ曲になっているなと感じました。


また、この曲には投影されていないと思いますが、シゲアキ先生が人生ベスト10に入るかも、と言っていたヴァンパイア映画「ぼくのエリ」も非常に面白くて、私は好きでした。
いちおうジャンルはホラーですし、全体的には暗めのお話なので、グロいのや暗いお話が完全に無理な方は注意してください
ただ、シゲアキ先生の好きなテイストのヴァンパイア映画を見たい人にはおすすめですし、構成やキャラクター配置も本当によく出来ているので心に残ります。


今日のエントリーもいつか他の方と議論してみたいところです。
『ヴァンパイアはかく語りき』はこんな解釈じゃないか、等々コメントorリプライでのご意見もお待ちしていますー

最後までお読みいただきありがとうございました!