エンドレス・サマー

前向きで切ないアイドルたちが大好きです。

嵐ブレイク戦略の光と影(後編)

今日は後編ですね。

嵐離れと担降りがテーマなので、わりとネガティブ?重め?の話が続きます
不快かも、と思われた方はそっと閉じていただけると幸いです。

大丈夫な方は続きから!


■嵐ファン大変動の時代

■新規ファンを獲得し続けている現状
 ここ一年強でも20万人くらいFC会員が増えていますし、私が2009年に入ったときと比べても、50万人以上は余裕で増えています(笑)
 平均しても一年間で10万人以上余裕で増えているファンクラブ会員。
 ダフ屋や複数名義もあると思いますが、それでも現在、ここまで会員の流入が激しいグループはないんじゃないかと思います。
 その一方で、前回も触れたとおりコンテンツ売上を見ていると、実会員数自体は比較的落ち着いてきているのではないかと思っています。つまり、流入と共に流出している人も一定数いるのではないか、という仮説が立てられますね。

 ファンの拡大は嵐の「普通の男の子が努力と絆でスーパーアイドルに!」という物語がウケ、「アイドルらしくないけどアイドル」という一見矛盾した売り方が成功したと言えますし、それが結果として、ジャニーズの中でも「嵐」と「嵐のコンサート」だけは特別で、好きだといっても行きたいと言っても周囲に冷たい目で見られないという安心感すら生んだ気がしています。
 なんというか、「ミスチル好きなんだよね〜」「今度ミスチルのライブ行くんだ!」が普通に受け入れられるポジションに、「嵐」が収まったという印象です。今ではこの安心感が、他の魅力に負けず劣らずの武器に成長していると考えています。

 私が嵐ファンになった、と自覚した2008年当時の嵐は年間1位2位を獲得し、国立競技場ライブを成功させても、嵐はジャニーズだ!という捉え方が強かったし、アイドルが好きなこともなんだか恥ずかしいし、応援している自分にすごく葛藤がありました。
 なんとなく、私のように周りに先輩がいない状況で突如ジャニヲタになる開眼型の人間は、それまでの自分を捨てるくらいの葛藤を抱え、かなり重たい気持ちでジャニヲタへの一歩を踏み出すような気がします(笑)

 ですが、嵐だけは年々その葛藤も薄まっていき、「嵐好きなんだ!」「嵐いいよね!」と言えたり、FCに入る人が増えている気がしています。正直なところ、私自身それに助けられたというか、ほっとした部分も結構あります。最近になるにつれて、余計なことを考えずに、ポジティブにアイドルにハマっていけたというか。
 そんなわけで、開眼型でまったくジャニーズに縁のなかったファン層が流れ込む時の圧倒的なハードルの低さ。これを感じるたびに非常に特殊な立ち位置につけたグループなんだろうなと感じています。

■ジャニヲタの入口かつ学校と化している嵐
 嵐のファン層はもはや開眼型ジャニヲタの入口かつ学校と言ってもいいと思っています。
 つまり、「ジャニーズはそんな好きじゃないけど、嵐だけはいいよね!」と言っていたようなファンが嵐の露出を追っているうちに、ずぶずぶとジャニーズ界に引きずり込まれ、ジャニーズ全般の楽しみ方を学ぶような形が確立しつつあると思うのです。

 例えば、エイトのように、嵐の番組に嵐とは全く違う理由で、でも同じくジャニーズらしくないジャニーズを出してみることも、番宣だからというのはありますが、ファンに向けた啓蒙活動みたいな効果ですよね(笑)
 最近は他グループのジャニーズ同士の共演も非常に多く、共演によってお互いのファン層の拡大につなげることもジャニーズ全体の重要なテーマになっているのもあり、嵐に限らず啓蒙活動的な流れは加速するんじゃないかと思います。
 
■10周年&紅白出場が一つのターニングポイント
 2010年末〜2011年は、10周年の節目と紅白という大舞台を見届けたことで、昔から見てきたファンの方の中でも嵐が大きくなったために嵐離れを決めて、別グループに移動するという方を多くお見かけしました。
 大きくなって成長した姿に安堵したように離れていく方も、大きくなって変わっていく状況に疲れた方も、理由はそれぞれだったと思うのですが、2010年・2011年はいろんな意味で大変動の時代だったんだろうなぁと感じています。

 私が勝手に嵐のお勉強をしていた大好きなブロガーさんたちも結構このパターンの方が多くて、すごく寂しかったのを覚えています。
 また、2011年といえば、キスマイ・エビ・セクゾンとデビューが相次ぎ、そこでも流れていくファンの方を見かけています。



■嵐ブレイク戦略の影

■嵐ファンの担降りが目立つ理由
 激しく流入し続ける嵐ファンはジャニーズに縁がなかった開眼型が多いのでは、というような話をしてきました。
 そのために、ひとたびジャニーズに対する偏見が取れてみると、ジャニーズらしいジャニーズの良さも偏見なく楽しむことができるようになり、その人にとって実は嵐よりも好みに合致していた魅力的なジャニーズグループを発見することも多いのではないか、と考えています。

 さらに、嵐の場合はコンサートを目的にFC会員になったとしても、コンサートの倍率がむちゃくちゃ高く、FCに入ってもコンサートを観れない人の方が多いレベルです。
 また、嵐はなんだかんだ中堅選手でパフォーマンスに安定感がありメディア露出も多く、お茶の間のライトなファンでも十分楽しめてしまうアイドルなので、嵐でジャニーズの楽しみ方を学び終わったら、嵐と距離を置き、自分の好みに合致した他グループをどっぷりつかって応援したい!と担降りする人も少なくないと思います。
 なので、嵐ファンの担降りが目立つとするのであれば、ジャニーズの中で「ファンになるハードルが低いこと」が原因じゃないかと考えていますし、これが「嵐ブレイク戦略の影」の部分でもあります。

 つまり、カジュアルなファンをどうやって呼び込むか、という点に注力した結果、戦略通りカジュアルなファンがついたものの、カジュアルなだけに繋ぎとめるのが難しかった、ということだと思います。
 当たり前といえば当たり前なんですが、普通は「ファンになるまで」がめちゃくちゃ高いハードルのため、ファンの熱量もある程度均一&ファンになったら落ち着くはずが、嵐に限ってはありとあらゆる人が流れ込むうえ、「ファンになってから」が大勝負になったことで、他グループよりも人が流れてしまう割合が多い印象です。

それでも、単なるブームに終わらせず、軽い気持ちで踏み込んだものの今はもう嵐から離れられない!というファンもたくさん抱えているわけなので、そのあたりは彼らの魅力と実力があってのことですし、ここ数年でファンになった=カジュアルなファン、とも言い切れないと思います。

■担降りしやすいデビュー組
 そうなったときに担降りしやすいのはデビューして一年のセクゾンとキスマイの2グループですね。デビューしてすぐなので、今から露出を追っても十分わかりますし、コンサートの会場もアリーナだったり、細かく成長を感じられる楽しさがあると思います。

 セクゾンは品の良さを持ちつつも、正統派アイドルで、グループが少しずつ出来上がっていく面白さもありますし、何より幼いので年下組の成長を見届ける楽しさもあります。キスマイはグループとしてもパフォーマンスとしてもかなり出来上がっているのですが、深夜バラエティーで無茶ぶりされて、少しずつ腕をあげていく姿勢や、演技の成長等はまだまだ見届けられますし、大きいテレビ露出も多いので不安にならずに応援できる感じも好まれそうです。
 エビもデビュー組で超実力派で魅力的なグループですが、嵐よりも出来上がりすぎている&舞台班の後継者のため、キンキ・滝翼・V6ファンと馴染みそうですが、嵐ファン層とはそこまで被らないような勝手なイメージがありますね。

 あと、私は担降りしやすいグループにNEWSが入ってくるんじゃないかと思っています。
 私と同じく、嵐・NEWSの掛け持ちの方も多くお見かけするようになったので、そのイメージは間違っていないような気がします。
 NEWSは歴史が多すぎて敬遠されるかもしれませんが、それさえ気にしなかったら担降りの有力候補ですね(笑) 
 初めの方のエントリーで言及した通り、嵐とNEWSは意外と同じような楽しみ方もできますし、再デビューから数か月、みたいな状況なので今からでも十分楽しめますし、20代後半男子たちがわちゃわちゃしている感じとかも似てます(笑)

 他にも、嵐と絡みの多かったエイトにもじわじわ降りている方がいらっしゃる気がしますし……。というか、どのグループもいますごく面白いのでジャニーズ界の沼に一度足を踏み入れた以上、どんなグループを経由し、どんなジャニヲタになろうとも全くおかしくないわけです。

■シビアであってこそのジャニーズ
 今でこそ、嵐から担降りしていくファンが多いなーという感じですが、嵐も先輩方のファンだったお姉さま方の担降りに支えられて成長してきたんだと思いますし、それくらいシビアな世界が繰り広げられてこそ輝くのがジャニーズ事務所だと思ってます(笑)

 ちなみに、まめかん的になんとなく嵐よりも担降りと戦う正念場……!と勝手に思っているのはヘイセイの子たちです。セクゾンV.S.ヘイセイが一番激化している担降りのフィールドなんじゃないかと勝手に思ってますし、両陣営ともやる気に磨きがかかっているのでアイドルたちの魅力もぐいぐい増していてお茶の間から見てても輝いています。
 嵐に関しては、自分たちがあえて選んだリスクなわけなので、どんなにもどかしくてもそれに向き合って、行くところまで行ってほしいなーというのが率直な感想かもしれません。



■まとめ

■予想を超えて巻き起こる嵐
 そんなわけで、昨今の嵐ファン近辺の変動期をデータで追い、嵐離れ・担降りの理由を考えてみました。
 嵐ファン激増は、本人たちが10年かけて磨いてきた実力ももちろんながら、嵐の特徴と嵐プロジェクトの人たちのブランディングの仕方が全く新しいファン層に上手に刺さり、それがどんどん波紋を広げ、今では予測不能かつ制御不能の暴風雨の中にいるようなものだと思います。
 というか、どんな広告でもどんなアイドルでもいくら必死こいてブランディングしたってここまで上手く刺さることはないだろうな、と考えると、中で関わっている人たちから見れば、そりゃ狙ってはいたけども、反響の大きさが予想外にもほどがある!というのが現状なんじゃないかと(笑)

 なので、嵐は良くも悪くも大胆な一手はうちにくかったり、手探りで少しずつしか進めなかったり、そういう状態なんだと思います。そんな中で戸惑いながらも求められたものをちゃんと返している嵐と嵐陣営は仕事人だなぁと感じています。
 うーん、なので、嵐の攻めてなさにもやっとした気持ちも書いてしまったんだけど、意外と嵐陣営的には落ち着くまで待って現状把握をしたい……。くらいが一番率直なテンションかも、という気がしてならないのでこの不満はたぶん無茶ぶりのレベルですね(笑)
 とかそんなことを思っていたら、昨日ラジオで流れた「Welcome to our party」が聞くと幸せになれる嵐楽曲だったので、まだまだ嵐陣営は貪欲なようですね。ありがとうございます(笑)

■嵐離れはブレイク戦略の影
 嵐のファンの拡大っぷりはファンになるハードルの低さがもたらしたことは間違いがないけれど、理由は絞れないほど複合的な要素が合わさった特殊ケースかつ、拡大した嵐ファン層もやや特殊な層だと思います。

 それゆえに、最近の嵐離れ&担降りはごくごく自然なことだと感じています。やっぱりプロジェクトが大きくなることで嵐が変わらなくても周りが変わっていくわけで、環境の変化に戸惑って離れる選択をするのも至極当然だと思います。また、もともと嵐よりも自分にマッチしているグループがあるのを知らず、嵐を入口にしてジャニーズに足を踏み入れ、一気にジャニヲタに開眼した人が多かったために嵐離れを決める方が多くなってきたのも当然のことだと考えています。

 今後も「ジャニーズらしくないアイドル」として嵐が大きくなればなるほど、ファン変動の流れは加速していくと思います。そして、「ブレイク戦略の影」にあたる現状のリスクを含め、嵐と嵐陣営は「トップになろうね」という選択をしたわけなので、後は消費者側のファンも自分に正直になって好きに選択していけばいいんだと思っています。
 ただ、「嵐の魅力が低下している」というように、出口の理由を単純に表現してしまうのは少し気の毒だなと考えていますし、嵐陣営にも何とかコントロールできる部分はつなぎとめてほしいなーなんてことも思います。

■まめかんの思う嵐の魅力
 嵐離れ・担降りというテーマで書いてきましたが、まめかんは今でも嵐はすごく魅力的なグループだと思っています。振り返ってみると、嵐全体の魅力についてはあんまり語ってなかったのでここで語らせて頂きますね(笑)

 私が思う嵐の魅力は、何といってもバラエティー・歌・ダンス・演技・トークとアイドル仕事の王道中の王道を安定かつ高いクオリティーでやってのけていることだと思います。

 ついつい嵐担をしているとスルーしてしまいがちだけども、このクオリティーに到達するまでは苦労と挫折があったんだろうなって、他のグループも見ながら感じています(笑)
 また、今の準備時間の少ない中で、安定して嵐を見慣れたファンに響くものを提供できているのも、やっぱりすごい反射神経と努力ですよね。

 よく嵐の魅力は「仲良し」であること、と表現されるのですが、5人でいるときも全員が阿吽の呼吸で、上手く全員を活かしあう仕事をしますよね。
 やっぱり、アイドルグループとしての魅力は全員がそれぞれ違う立ち位置を見つけて輝けることだと思っているので、グループとして輝くことをすごく大切にしているグループ観の存在も嵐に対する信頼を生んでいる気がします。

 それと、勝手なイメージですけど、ずっと「仲良し」をキープするってすごく難しいことだと思うんです。お互い相手の仕事に尊敬し合って、人柄を尊敬し合って、他人行儀にならないくらいに気を遣って。ひりひりするような少年時代を経て、大人になって、5人の仕事量だって全然違う時期だってあって、それでもメンバーを甘やかすんじゃなくて信頼して、対等な関係性を築いてこれた5人の意地にすごくグッときます。

 また、私がアイドルを見ている理由の三分の一くらいは、関係性だったり人間に対する興味なので、嵐みたいに全コンビがドラマチックでエピソードが多いグループだと何年見ててもつかめた感覚がありませんし、私のようなめんどくさい人にぴったりです(笑)

 そして、なんだかんだ、勘が良くて求められたことに全力で返す仕事人のグループですし、どんな無茶振りが来ても真正面からぶつかっていく、器用そうに見えて愚直で、でもそれを表に出さないでふざけて笑いながらアイドルやってるような強気さがすごく好きです。

 嵐ブレイクの戦略自体は「素の人間性」とそれに派生する物語をウリにした、という点が核になると感じているのですが、まめかんはやっぱり仕事と仕事への攻めの姿勢が嵐の魅力だと思っているので、彼らがキャパオーバーにならず全力で走り続けている限り、嵐は最高のアイドルだと思っています。

■感想
 嵐離れ・担降りが出やすいくらい嵐が入口になっている現状を変え、他にもジャニーズに縁がなかった人をどんどん引きずり込む力を持ったグループがたくさん出て来てくれたらいいなーと感じています。
 もちろん事務所もそれくらい売れるアイドルを育てたいと思っているに決まっています。そんなわけで、ここ2〜3年位でどこか入口を担当するグループができるんじゃないかと。

 こうやって見てきても、まだまだ続く嵐人気ではありますが、いつか人気のピークが過ぎた時に、嵐離れをしていた人が思わず戻ってきてしまうようなグループになってくれることが理想かも、と書いていてぼんやり思いました。
 もしも、逆境になったらなったで、始めは辛くてもどんどん魅力的に輝いていくグループだと思いますし、どんな時も嵐の底力と向かう先に期待しています。
 なので、まめかんも嵐を離れたかったら離れると思いますし、それくらいシビアな感じの消費者でいたいなーとは思っています。まあ、大野さんから離れられる日がやってくるとは思わないので無理そうですけど(笑)
(黒焦げ期でも離れられなかったのであきらめています)

ちなみに、掛け持ちについてまめかんがどんなスタンスなのか気になる方は、嵐とNEWSの物語性 - エンドレス・サマーこちらの後半で少し触れています。よかったら合わせてお読みください。

以上で「嵐ブレイク戦略の光と影」終了です!
おつきあいいただいてありがとうございました。
今回もあくまで、まめかんの考えていること、と読んで下さると幸いです><

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