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エンドレス・サマー

前向きで切ないアイドルたちが大好きです。

なにはともあれ聞いてほしい。嵐のアルバム『LOVE』感想

あらし CD 感想 全曲紹介

 嵐の新作アルバムはその名も『LOVE』。様々な“LOVE”を歌うという直球すぎるコンセプトに負けない名盤。音もアーバンでとにかくシック!飽きが来ない上質さがあり、長く聞き続けていきたい作品です。全員が三十路を超えた彼らにふさわしく、いい意味で肩の力が抜けた大人なアルバムに仕上がっています。

〈LOVE=愛〉をメイン・テーマに掲げ、〈始まるLOVE〉〈勘違いのLOVE〉〈イケイケのLOVE〉〈終わったLOVE〉など、さまざまな〈LOVE〉を楽曲ごとに表現したコンセプチュアルな作品になっています。
(タワー・レコードのレビューより)

嵐ニュー・アルバム『LOVE』リリース記念! 全曲速攻レヴュー - TOWER RECORDS ONLINE
 とのことで、バリエーション豊富で一曲ずつころころ雰囲気が変わるのがこのアルバムの面白さ。
 嵐の魅力である、洗練された雰囲気と上品さ、ストイックな色気にジャズやソウル、ディスコ、ポップ、ロックと幅広い音楽ジャンルを掛け合わせた時の化学反応にも注目です。
 アルバムとしてとっちらかるかと思いきや、きっちり一つの作品としてまとまっている点もさすがでした。
 ほんと、なにはともあれ聞いてほしい。迷っている方は是非買いましょう。レンタル、まだ先なので。笑
 アルバムのアートワークもとても大人っぽく、上質なデザインでお気に入りです。全部に手が込んでいるので、手元に置いても損はない一枚じゃないかと思います。
 初回が高騰中みたいなので、通常版をおすすめ。アルバムだけで十分満足できるクオリティーです。

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 この先は、ネタバレしまくりの全曲紹介です。
 大丈夫な方は続きから!





1. 愛を歌おう
作詞:SQUAREF、mfmsiQ、John World
Rap詞:櫻井 翔
作曲:Benny Jansson
編曲:佐々木博史

 アルバム全体のコンセプトを主張しているような一曲目。
 前作Popcornの流れを受け継いだような「Cosmos」と似通う壮大な世界観。編曲者も「Cosmos」と同じ方だそうです。
“愛”というと恋愛に結び付けがちですが、この楽曲で歌われているもの、アルバムの中で歌われているものはもっともっと広いのだ、と全力で主張しているような気がします。

Hey! 今 思いのままに
Hey! 愛を歌おう
Ah-ah-ah-ah-ah 二度とない この瞬間を
Hey! 君と一緒に生きて伝えてゆく
喜びも痛みも すべて包み込む I love you

 全世界に向けて“愛”を歌っていこうというような、気負ってしまうような歌詞ですらさらっと歌い上げる彼ら。
“国民的アイドル”の肩書が定着しつつある嵐。そんな彼らの今のスタンスをも感じられるような楽曲だと思います。



2. サヨナラのあとで
作詞:R.P.P.
作曲:MiNE、Atsushi Shimada、Fredrik Samsson
編曲:吉岡たく

 終わってしまったLOVEを歌った楽曲。終わってしまったんだけども、主人公はまだまだ未練たっぷり。

にぎやかなこの街の片隅で 何も出来ない僕がいる
空回り振り切れてゆく 心がまだ震えている

 冬のイルミネーションを想像するようなきらきらとした音がのっかっているだけに、寒々しい主人公の心情とおさえきれない恋心が浮かび上がってきます。

それぞれの記憶は 形を変えるけど
君の言葉に嘘はないことを ずっと信じていたい

 ここの歌詞がいかにもこの楽曲の主人公らしくてお気に入りです。
 大野担的には、大サビと大サビ後の歌い上げるでもない、抑えたフェイクの色っぽさに持ってかれます。



3. CONFUSION
作詞:Shigeo、Macoto56
作曲:Joe Killington、Katerina Bramley、Tim Worthington、Michael Conn
編曲:石塚知生

 歌詞のストーリーも言葉の重ね方も面白くてお気に入りです。主人公の心情に寄り添ったような疾走感たっぷりの楽曲。

“愛”をする わかってる肯定
余計な技術で 防衛の一途で

 恋愛の手練手管に長けていると信じ込んでいた主人公。その彼が一転して“I'm love fool”と彼女に転がり落ちて今までの余裕なんかどこにもない!駆け引きだってうまくできない!とタイトル通り混乱するさまを歌っています。

慢性 Overload もう後がない 全然
目配せ 期待したい 社交辞令も

 振り回す側だった主人公が彼女の一挙一動に期待する様子なんかもとっても良い。
 この主人公の魅力的なところは、余裕綽々だったころの自分から、今の自分をちょっぴり揶揄するような描写でしょう。

 She loves me but 全ては見栄!It's cool!
 完全にきいてんな I'm sorry
 あわよくばなんて 可哀想に

 こうやって客観視しつつも、最後に“I'm love fool”と終わるのがとてもまっすぐでなんだか憎めない。



4. Hit the floor Vocal:Satoshi Ohno
作詞:alleztune
作曲:川口 進、BERT、ROLF
編曲:石塚知生
 
 全大野担が卒倒したと噂の大野智ソロ曲。笑
 このアルバム全部の中でもイチオシの楽曲。
 あやしい魅力を持った主人公が、そこまですれてない感じの女の子(たぶん)を誘惑する、ちょっぴり危険なLOVE。
 大野さんの積み重ねたテクニックと、自分の色を出そうとしないストイックな歌唱の魅力を存分に活かした楽曲。これまでのソロ曲もテクニック部分はぞんぶんに発揮されていたと思いますし、そこを引き出す楽曲だったと思うんですけど、ここまで大野さんの歌の特徴を活かした楽曲はこれまでないんじゃないでしょうか。

 知らない世界を見せてあげるよ
 きっと気に入ってくれるさ Anotherworld

 このサビの歌詞なんか見るからにこの男怪しいなって警戒心を煽られる感じなんですけど、大野さんが当たり前のようにさらっと歌うから怪しさを感じさせない。笑

君のことを悲しませることなら 一億年でも隠しきってみせるさ

 続く、この甘くて真摯に響く言葉に心の天秤がふらっふら傾いてしまうわけですよ。
 大野さんの歌唱って“俺が俺が”な要素が薄い分、とてもまっすぐじゃないですか。だから、もう歌詞が本気に聞こえる。心からヒロインを想って、歌っているように聞こえちゃう。

 なんといっても大野さんならではの色気がぞんぶんに発揮されるのは次の歌詞でしょう。

 露わに見せたその背中を 誰にも触れさせれないから

 これは“背中”をチョイスした段階で大勝利ですよ。もう。
 大野さん×フェティシズムな雰囲気って最強じゃないですか? 色っぽい―!!!

窓の外は気にしちゃいけないのさ 二人を引き裂く罠がある
このまま Never let you go

 サビのラスト。「窓の外は気にしちゃいけないのさ 二人を引き裂く罠がある」なんて言ってる段階で、この男に何かがあるのはほぼ決定じゃないですか。もうヒロインを騙すつもりすらないんじゃないかと勘繰りたくなる歌詞。
 さらに言えば「君のことを悲しませることなら 一億年でも隠しきってみせるさ」なんて実現できるはずもない睦言なわけで。わかったうえで落ちて来いよ、と言いたいんでしょうねー。
 そのあとも、「甘い言葉で包んであげるよ」「君を守りたい」と誘惑を重ねる主人公。  

 Comen baby, another world 行こう 君と Another wolrd
 そう君こそ 今宵のSecret Lady
 Comen baby, another world 行こう 君と
Comen baby, another world

 最後はこうやって終わります。ここで出てくる“今宵のSecret Lady”は冒頭と同じ表現で、最初から最後まで主人公にとってヒロインは特別な一人ではない、と一貫して示されているんですよね。
 薄々わかっていたとしても、全部に目をつむって騙されてしまいたい!みたいなこの気持ち。
 本音なの?嘘なの?信じたい!でも信じたらダメ!と揺れ動いているだろうヒロインの心情と、それをわかっていて手玉に取る大野智。ほら最高じゃないですか!?



5. P・A・R・A・D・O・X
作詞:AKIRA、HJ & Co.、SQUAREF、s-Tnk
Rap詞:櫻井 翔
作曲:James Bird、Olly Goodman、Michael Duke、Emma Rohan
編曲:A.K.Janeway、吉岡たく、James Bird、Olly Goodman、Michael Duke、Emma Rohan

 歌詞がセクシーと話題のアルバムリード曲。大宮の高音フェイクが印象的。
 この高音フェイクの影響か、歌詞のひたすら男らしいイメージとは裏腹に、女性的な色気も併せ持っています。
 あとは肝心の「P・A・R・A・D・O・X」というタイトルですが。この意味がいまいち飲み込めていなかったりするんですよねー笑
 うーん。

P・A・R・A・D・O・X
I’m gonna make you stop it baby
P・A・R・A・D・O・X
I’m gonna make you stop it
P・A・R・A・D・O・X
I’m gonna make you keep on baby
P・A・R・A・D・O・X

 サビの「I’m gonna make you stop it baby」「I’m gonna make you keep on baby」がある種対になっていると解釈できるので、ここが“PARADOX”ってことなんでしょうか。
 その後の翔くんのラップでも月明かりと朝や、頭と体など対のイメージがある言葉を選んでますね。

窓枠に伸びる影から裸の彼方
時を刻む月灯りと数多の朝が
未だにまだまとわりつく貴方の最中
露わな儚き頭と身体の狭間

 まあ、そもそもサビの意訳がしっくりこないんですよねー。
 高揚をとどめたい気持ちと、続けたい気持ちとか、それっぽいことをいくつか考えたんですけどしっくりきません。もっと英語勉強しないとなぁ。良い解釈をご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。笑



6. sugar and salt Vocal:Sho Sakurai
作詞:100+
Rap詞:櫻井 翔
作曲・編曲:韻シスト

 別れた後に大切だった人との日々を思い出している柔らかさに少し切なさが漂う楽曲。切ないだけでなく、次へ向かっていく第一歩が感じられるような後味がとても好きです。

レストランに行ってまた
映画館に行ってまた
ドライブに行ってまた貴方を知っていく
心なしか二人また似ていく
無地のキャンバス滲んでいく

肩にもたれかかる左の耳(yeah)
繋ぐ手の震える意味(yeah)
いつからか互いに意地
一日 いまもよぎる景色

 二人が出会って、少しずつ離れていくまでのストーリーが目に浮かぶようなリリック。
 あと私、翔くんの「心なしか二人また似ていく」を特別な過程だと思う感性が好きです。翔くん自身がすごくはっきりして強い色を持っている人だと思うんですけど、そんな翔くんだからこそ、ここで描かれている相手の色が滲むような出会いというのがとってもロマンチックに感じられるんですよね。
 そんな特別な相手なだけに、別れたあとも忘れられずに想い続ける主人公。

いつでも会いに行く
何しているかなってまた空見て
とは言え応えもなくもがいてる
また出てきた女々しさ
ただ照れ臭くただ男の女々しさでした

 そして、最後にもう一度どうか「Call me, call me」と願う主人公は「I wanna feel your love」「You're the one for me」と最後まで“貴女”への思いが変わらないと歌います。

 最後のサビがまた切ない。

I wanna feel your love 願う涙
浮かんでは消える and you were mine
君の明日を願うよ

「and you were mine」自体もですけど、「and you were mine」と同じメロディーに乗せて「君の明日を願うよ」と歌ったところにすごくグッときました。
 あと、ここで注目したいのは“貴女”ではなく“君”に呼び方が変わっているところ。
 ゆったりしたビートと、翔くんの抑揚を抑えた男らしい歌唱があいまった、とっても大人なLOVEですね。



7. Breathless
作詞:HYDRANT
作曲:Takuya Harada、Christofer Erixon、Joakim Bjornberg
編曲:佐々木博史

 映画プラチナデータ主題歌。ようやくシングル曲の登場です。
 映画の世界観に寄り添ったような歌詞と近未来を想像するような音が特徴の楽曲。
 静かなAメロと激しいサビのギャップが印象的ですね。

嘘のない世界など どこにもない時代でも
確かめたい 自分だけに 刻まれてるDNA
もがいている 叫んでいる 生きる自分の姿を 探し続けて

 他にも、サビの初めで「体中叫んでる」と歌うように、とにかく思いのありったけをぶつけた叫ぶような切迫感のある歌唱とメロディーが絡みあうのが魅力的です。
 やっぱりプラチナデータと重ねて聞くのが一番面白い楽曲だと思います。そんなわけで、何を書いてもプラデのネタバレになりそうなので、ぜひプラデのDVDを観た後に歌詞カード開いてみてください。笑



8. 20825日目の曲 Vocal:Kazunari Ninomiya
作詞・作曲:二宮和也
編曲:ha-j、二宮和也

 もうこれは説明不要の二宮和也ワールド。タイトルの「20825日目」はにのママの誕生日から『LOVE』の発売日までの日数だということで、直球の母親愛が歌われています。
 歌詞カードをみながら聞くと、より一層にのちゃんワールドに入り込めるのでおすすめです。ほんと、にのママへの素直なラブレターって感じです。笑
 編曲もテッパンですし、このアルバムでは珍しいくらいの王道POPに仕上がっています。
 作りこまれたアルバムの中でほっと息抜きができる温かいソロ曲です。

なんでかな?ドラマチックに書けないや。
本当普通過ぎて。
でもそれが俺たちなんだね。

 歌詞はここが一番好きです。



9. Rock Tonight
作詞・作曲:100+
編曲:BJ Khan
 ニノのソロ曲に続き、こちらも軽快なポップソング。あっけらかんとした曲調と歌詞が心をふわっと軽くしてくれます。

愛だの恋だの言ったって 理屈では語れぬ
どうにかこうにか頑張って ここにいるのさ
同じキモチなんでしょう?

 さんざん愛について重々しく歌ってきた上で、この歌詞というのが痛快!身も蓋もないような「どうにかこうにか頑張って ここにいるのさ」がかえってロマンチックに響くのも不思議。

何があったって 今が最高って 言えたら それでいいんじゃない?
回り回る中で ゆらり揺れながら
君と僕はそうやって ここにいるのさ
今宵も踊りましょう!

 まさしく!と言いたくなるような開き直ったような歌詞から「今宵も踊りましょう!」と享楽的なサビに向かっていく軽快さが癖になります。
 


10. Endless Game
作詞:100+
作曲:Chris Janey、Dyce Taylor
編曲:2H、Chris Janey

 ドラマ家族ゲーム主題歌。地味にPVが好きでした。この楽曲は特徴的なメロディーも魅力ですが、やはりメッセージ性の強い歌詞が印象的です。

 あり得ないことばかりさ 向かうしかないのさ
“正比例に見えて その想いは反比例”
 分からないことばかりさ でも見たいものがあるよ
“終わりなき世界 繰り返す play the game”
 どこへゆけるの? 望めばいつでも ゼロから始まるリプレイ
 一か八かのフェーズへ 二度と戻れなくても

 甘さや退路をバッサリ切り捨てながら先に進まなければならない、という悲壮な決意が感じとられるサビと心が揺れ動くさまを歌ったAメロの対比にグッときます。

 何があるの? そのドアを開けよう リアルと繋がるリセット
 進むべき結末へ 答えは見えなくても

 ラストのサビまで厳しさを保ったまま終わるのも家族ゲームの世界観と同じく、ちょっと突き放したような切れ味があって好きです。



11. Calling
作詞:s-Tnk、eltvo
作曲:Andreas Johansson、youwhich
編曲:石塚知生

 シングル曲の中で、一番アルバム映えした印象です。
 戦隊ものの主題歌みたい、という最初の印象と変わらず、ヒロイックな楽曲です。
 アルバムの中で聞くと、イントロのエレキギターやベース音にぱっと惹きつけられます。
 タイアップ楽曲なのでラストホープとリンクする歌詞になっています。

けして消えない こころ深く 静かに降る 雨のような
それが 僕をここまで 連れてきたんだ この先だって ずっとそうだろう?

 中でもここの歌詞は、なんとなく相葉さん自身とも重なるような気がしてお気に入り。



12. 夜空への手紙 Vocal:Masaki Aiba
作詞:阿部祐也
作曲:ニホンジン
編曲:BIGSHOOTER BOYS

 相葉さんのソロもこのアルバムには珍しいほどの正統派ポップ。相葉さんの声が最も活きる、前向きな日常にほんのり滲む切ない思い出ソング。

何気なく笑い合えてる いつもと変わらない夕暮れも
二度とはない名場面だ 今は心から思うよ
肩を並べて 揺られてた 逆さまみたいなモノレールで
目を閉じたら あの日に帰れないかなぁ・・・

 相葉さんの地元をモチーフにしたという情景描写から、「目を閉じたら あの日に帰れないかなぁ・・・」もうここでぎゅっと心を掴まれてしまいます。

 そして中盤の大サビ前。「どんな孤独な夜も 一人じゃないんだ」の“だ”がまた、味わい深いですね。言い切れるほど強くもなく、明るくもなく、独り言のように歌われる「一人じゃないんだ」がだだっ広い中にぽつんと響く感じで好きです。

消せない思い出 消せない言葉 果たせなかった約束
そのすべてを抱きしめて その日まで 走っていく
追われるように 過ぎていった 日々の中 見落としていた
いつでも すぐ 逢えるような気がしてた

 ここの歌詞を聞きながら、なぜか『時をかける少女』を思い出していました。

微かに残った 最期の あの温もり 忘れない

 そしてラスト。ここでようやく相葉さんの回想の相手はすでに亡くなっているらしいと匂わされるわけです。
 この曲は比較的ぼかした表現が多く、肝心の回想相手が女性なのか、男性なのか、相葉さんとの関係性もはっきりしません。
 途中の歌詞なんかを読む限り、年上、しかも身内に向けた歌という印象でした(追記。相葉さんのインタビューを読む感じだと亡くなったおじい様のために作られた楽曲のようです)。そういう風に人によって、好きな解釈で聞ける自由度もこの曲の魅力かもしれません。



13. Dance in the dark Vocal:Jun Matsumoto
作詞:HYDRANT
作曲:Takuya Harada、SkyLine、Christofer Erixon
編曲:Pieni tonttu

 嵐が得意とするジャズの流れを受け継いだ、華やかなソロ曲。潤くんらしく「Doo Doo Wop Doo Wop」「Groove」「Behop」など、1940~50年代の音楽を連想させる歌詞が満載で、音も少しクラシカルなイメージ。
 また、この曲は松本潤が満を持して送り出す「ヴァンパイア楽曲」でもあります。ほんとジャニーズといえばヴァンパイアですね!笑
 日本語と英語を細かく入れ込んだ言葉遊びや、一番と二番での変化を追うことで少しずつヴァンパイアの潤くんが相手を追い詰めていくさまが感じられてとても面白いです。
 たとえば、一番の“Upper ground”が二番は“Underground”になっているとか。
 あとは、ヴァンパイアモチーフだからこそ「無類のI'm a gentleman」がひねりがあって面白かったりしました。

白黒つけようか I'll keep on dancing all night. Come in 紙一重 Love and hate だって Alright

 歌詞のフレーズだとここが好きですねー。

もうかなり You follow me 果てない Dance in the dark

 飄々としていてそれほど危険な雰囲気もなく魅力たっぷりな主人公ですが、サビのこのフレーズが毒牙にかかった先を想像させるような作り。この終わりがピリッとしていて素敵です。



14. Starlight kiss
作詞:AKIRA、s-Tnk
Rap詞:櫻井 翔
作曲:Fredrik "Figge" Bostrom、川口進
編曲:BJ Khan

 疾走感のあるイントロとは裏腹に、都会的なメロディーにのったロマンチックなラブソング。ロマンチックだけど少し独りよがりにも聞こえるという、思わず想像力を働かせてしまう、不思議な楽曲です。主人公から見たストーリーは「Starlight kiss」のタイトルに負けないような、月9ドラマみたいな王道ラブストーリー。
 歌詞をざっくり言うと、思い切って告白した男の子が、星明りの下でキスを仕掛ける話です。
 どこが月9っぽいかといいますと、「Baby you're the only one」「永遠 I do swear この気持ちわかってよ 離しはしない」と切々と歌ったすぐ後に「One more kiss キミもほしいだろ?」と余裕綽々でわかり切ったような歌詞があるところですかね。笑

 Oh 締め付ける胸 You're squeezing me so tight
惹かれ合う互い You know? I'm the guy!

 ここの「I'm the guy!」と主人公の心情が吐露されたあとサビに向かうのが好きですね。



15. FUNKY
作詞:mfmsiQ、s-Tnk
作曲:BJ Khan、Takuya Harada、Joakim Bjornberg、Christofer Erixon
編曲:BJ Khan

 このアルバムの顔ともいえるような『LOVE』らしい楽曲。
 アーバン。って普段はほとんど使ったことないんですけど、本日2度目の登場。この曲はアーバンって表現がほんとしっくりきます。これまでの流れを汲んで、夜のダンスフロアがイメージされますね。
「Let's dance!!」「Happyで Groovyな さぁパーティータイム」と始まるように、リズムがしっかり刻まれていて自然と体が揺れてしまうようなナンバー。ストリングスがとてもいいアクセントになっています。
 あとは、コンサートのダンス曲に指定されていると知っているからか、ディスコと同じくらいコンサートの光景を想像させるような歌詞が重ねられています。

まるで光のWave 輝いて 繋がるよ
僕らひとつになって
どんな色に染まって溶けるのだろう
今も この瞬間を 楽しんでもっと ためらいを捨てて

二度と来ない こんな夜だから
どこまでも一緒に踊ろうよ

 これはコンサートでさらに大化けしそうな予感です。
 


16. Tears
作詞:小川貴史, SQUAREF
作曲:加藤裕介
編曲:BJ Khan

 アルバム内で唯一のスローバラード。終わってしまったLOVEを歌った曲ですね。普通のアルバムだったら、バラードで締めるのはちょっとありきたりな気もするんですけど、『LOVE』に関してはラストにバラードを持ってくることでかえってシックな印象でした。
 全員が三十路を超えたからか、こういうバラードを歌ってもまったく無理がない。
 むしろ「若すぎた僕らの 季節取り戻せるなら もう二度と離れないように 愛せるから」なんて歌詞も肩の力が抜けたような歌唱でとっても心に響く。
 嵐が歌う大人のバラードを聞きながら、アルバムの余韻をゆっくり味わえるラストです。




■まとめ

 最初にまとめちゃったので特に書くこともないんですけど、全体の感想としては1990年代後半の音楽シーンを髣髴とさせるような楽曲が多く、さらに言えば昔嵐が歌っていたような楽曲を今の嵐でパフォーマンスしたら?という雰囲気もあります。“LOVE”という壮大なコンセプトも含め、アルバムの大人っぽい魅力とは裏腹に、かなり挑戦的な作品だと感じました。

 また『LOVE』の裏コンセプトは“Dance”なんじゃないか?と思うくらい、“踊る”“Dance”を意識している楽曲が多い印象(まあ暗喩として使いやすいというのもあるのかもしれないけど)。
 コンサートも『LOVE』の流れのまま、夜とダンスフロアを意識した演出になるんじゃないかなぁなんて勝手に想像しています。

 あとは繰り返しになりますけど、嵐の都会っぽさ、育ちの良さが年を重ねたことでさらなる武器になりつつあるんだなーということも実感しました。NEWSのアルバムでも思ったんですけど、2グループとも根っこが上品なので、セクシーな曲を歌っても嫌らしくはならないんですよね。

 嵐楽曲の流れから見ても、評判が良かった前作『Popcorn』の流れを汲みつつ、今作の『LOVE』でここ数年の嵐の音楽の方向性が一気に定まったような空気すら感じます。前作がアイドル・嵐の軸ならば、今作はアーティスト・嵐の軸となる作品と言えるんじゃないでしょうか。
 前作はあえて隙を作った部分が魅力だったんですけど、今作は最初から最後まで隙なんて一切なくてまるっとかっこいいのに、背伸びしていないどころか、貫禄すら漂っているのがほんと素敵です。もう少し前だったら青さが残りそうな楽曲も、余裕で成立させている感じがかっこい。ぜひともいろんな方に聞いていただきたい作品です。
 以上、おすすめ!!

LOVE(通常盤)

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 長々とお付き合いいただいてありがとうございました!
 何かありましたらリプ等いただければと思います。



 ていうか、聞けば聞くほどアルバムが素晴らしくて、アルバムだけでもすごい満足感なんですけど、じわじわとコンサートに落選したのが切なくて仕方なくなってきました><
「Hit the floor」見たいー!!そんなわけで、天変地異が起こって東京公演に余裕ができた方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひお声掛けください……笑


 あと、コメントもお星さまも本当にありがとうございます。
 いつもうれしく読ませていただいていますし、とても励みになります。
 あまりまとまった時間が取れず、コメントのご返信が非常に遅れていて申し訳ないです><
 こまごまと返していますので、全部終わったらこちらでご報告します。年末までにはどうにか終わるように頑張ります……!